河合隼雄(文化庁長官)の『こころの処方箋』のあとがきより
「人の心などわかるはずがない」。そんなのは当たり前のことである。しかし、そんな当然のことを言う必要が、現在にはあるのだ。試しに本屋へ行ってみると、人の心がわかるようなことを書いた本がたくさんあるのに驚かれることだろう。
私たちはおそらく自分自身を落ち着かせる為に、人の心がわかったつもりになってしまうのでしょう。
わからないを前提に、わかろうとしなければいけないですね。
物事や人物を様々な方向から見ることの大切さ、つまりは何事も安易に決めつけてしまわないこと。著者のこころの広さを感じられる本です。
現在、河合氏は脳梗塞で重篤な状態だそうです。早い快復を願います。
- こころの処方箋
- 河合 隼雄
- 新潮社 1998-05
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