『夜にそびえる不安の塔』
井形慶子の著書です。
この作家は、これまで、日本とイギリスを行ったり来たりして、生活や文化の違いなどを紹介するイギリス本を書いています。
LOHASな生活や老後を海外で過ごしたいという人が増えていますが、まさにそんな時代を先取りして書いてきた方です。
今回読んだ本は、ノンフィクション。
占いやスピリチュアルなどがブレイクする前から、
霊感や未来を予言する人々を著者自ら5年に及ぶ潜入取材してきて、まとめたものです。
今、なぜ、若い女性が占いやスピリチュアルにハマるのか。
未来を読む力とは一体何なのか。
それらを解明すべく著者は取材を進めるのですが、彼女はどっぷりとその世界に飲み込まれていきます。
この本は、短い章でまとめられているので、とても読みやすいです。
・・というか、最初のページを読んだだけで面白いので、あっという間に引き込まれて、読むのが止まらなくなりました。
私にとっては、「占いや霊感を信じる、信じない」の問題よりも、「どうして自分の未来をそこまで知りたがるのだろうか」「どうして他人の本当の気持ちや考えを知りたがるのだろうか」ということに関心があります。
この本にはそういうことを考えさせられる言葉もあります。
私は、「あ〜した天気にな〜れ!」と運動靴を蹴り飛ばして一喜一憂する程度でちょうどいいです。
この本はお薦めですよ!
- 夜にそびえる不安の塔
- 井形 慶子
- 講談社 2006-09
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